それでも助けてもらった時の感謝の言葉を一言伝えたい。声をかけたいのに喉が支えてしまう。今、ライアを引き止めなければまた次にいつ来店するかも分からない。
(待って…! 一言だけでいいの……おねがい…っ)
ライアの姿をただ見つめる事しか出来ない。スズランはその場に立ち尽くしていた。ところが、願いが通じたのか不意にライアがこちらに向き直った。
「っ…スズラン!!」
瞳を丸くして狼狽した様子のライアに心臓が跳ねる。あれ程会いたかった筈の本人を目の前にすると頭が真っ白になってしまう。こちらへ一歩踏み出したかの様に思ったがライアの足もそこで止まった。
言葉を伝えるならば今が絶好の機会だ。しかし嫌われていると分かっていながら話しかけるのにはとても勇気がいる。どうするべきか葛藤していると突然背後から肩を掴まれた。
「おい、スズ! まだ病み上がりの癖に表に出るなって言ったろ? 今日は裏で簡単な仕事を…っ!!」
「……」
間が悪くライアと対峙している所にやって来たセィシェル。ライアの存在に気が付き、即座に喧嘩ごしな文句を口走る。
「げ! んだよ、来てたのか変態野郎! もう来ないとか言ってた癖に…」
(待って…! 一言だけでいいの……おねがい…っ)
ライアの姿をただ見つめる事しか出来ない。スズランはその場に立ち尽くしていた。ところが、願いが通じたのか不意にライアがこちらに向き直った。
「っ…スズラン!!」
瞳を丸くして狼狽した様子のライアに心臓が跳ねる。あれ程会いたかった筈の本人を目の前にすると頭が真っ白になってしまう。こちらへ一歩踏み出したかの様に思ったがライアの足もそこで止まった。
言葉を伝えるならば今が絶好の機会だ。しかし嫌われていると分かっていながら話しかけるのにはとても勇気がいる。どうするべきか葛藤していると突然背後から肩を掴まれた。
「おい、スズ! まだ病み上がりの癖に表に出るなって言ったろ? 今日は裏で簡単な仕事を…っ!!」
「……」
間が悪くライアと対峙している所にやって来たセィシェル。ライアの存在に気が付き、即座に喧嘩ごしな文句を口走る。
「げ! んだよ、来てたのか変態野郎! もう来ないとか言ってた癖に…」