「もう無理しない! みんなにも心配かけてごめんなさい」
「よし、じゃあ今はちゃんと体調を戻すのが一番だからね。落ち着いたらまた少し眠るんだよ」
スズランは大きく頷くととびきりの笑顔をユージーンに向けた。
少しづつ体調を整え、酒場の仕事に復帰出来たのはそれから七日ぶりだった。
* * *
「───おいスズ! まだ病み上がりなんだ、今日から仕事っても絶対裏方だからな!!」
「わかってるもん…」
あれからセィシェルとは普段通りに接してはいるもののお互いにどことなく気まずい思いをしている。〝今はまだ答えなくていい〟と言われてしまえば、もうどうしたらいいのか分からなかった。
ソニャにも心配をかけた分何かお礼をと思っていたが、「そんな事よりも恋愛の相談に乗って!」と丸め込まれてしまう。更にこの七日間、ライアの来店は一度もなかったとの情報付きだった。
だが、ライアへの気持ちにはしっかりと鍵をかけたのだ。もうライアが来店するかどうかで気を揉むこともない。
そう自分に言い聞かせた筈だった───。
しかし。その姿を捉えた瞬間。
その声が耳にとどいた瞬間。スズランの心臓は大きく打ち震えた。
「よし、じゃあ今はちゃんと体調を戻すのが一番だからね。落ち着いたらまた少し眠るんだよ」
スズランは大きく頷くととびきりの笑顔をユージーンに向けた。
少しづつ体調を整え、酒場の仕事に復帰出来たのはそれから七日ぶりだった。
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「───おいスズ! まだ病み上がりなんだ、今日から仕事っても絶対裏方だからな!!」
「わかってるもん…」
あれからセィシェルとは普段通りに接してはいるもののお互いにどことなく気まずい思いをしている。〝今はまだ答えなくていい〟と言われてしまえば、もうどうしたらいいのか分からなかった。
ソニャにも心配をかけた分何かお礼をと思っていたが、「そんな事よりも恋愛の相談に乗って!」と丸め込まれてしまう。更にこの七日間、ライアの来店は一度もなかったとの情報付きだった。
だが、ライアへの気持ちにはしっかりと鍵をかけたのだ。もうライアが来店するかどうかで気を揉むこともない。
そう自分に言い聞かせた筈だった───。
しかし。その姿を捉えた瞬間。
その声が耳にとどいた瞬間。スズランの心臓は大きく打ち震えた。