「分かった!! じゃあ俺からガツンと言っといてあげるよ! てかもしかして少し風邪っぽいのはそのせいだったり?」

「そ、そんな事ないです。最近すこし寝不足ぎみで…」

 実際。本調子とは程遠く、風邪の前触れの時の様に身体も怠ければ若干喉の奥も違和感を感じる。

「いや、よく見たらスズランちゃんめちゃくちゃ顔色悪いじゃん。気づかなくてごめんね!」

「いえ! もうすぐ仕事あがりの時間なので平気です」

「そっか! なら先に注文しちゃうよ。ほら、エミリオは何飲むんだ?」

「僕は先輩と同じので!」

「うん? それだと蒸留酒そのままなんだけど、お前には早いんじゃあないか?」

「いーんです、同じので! 先輩と同じのを飲んで先輩みたく強くなりたいんですっ」

「はは、せめて水割りにしとけよ」

「え〜!?」

「ちなみにリーナは飲んだくれは嫌いだぞ」

「えっ? でしたら控えます!」

 同僚と楽しそうに会話するジュリアンからその他の注文(オーダー)も取り終え、厨房へ伝えると先に酒と小皿料理(タパス)を給仕しに向かった。

「蒸留酒と小皿料理(タパス)お持ちしました!」

「ありがとう! えーっと早速だけどスズランちゃんはさ、あいつにも会いたかったりする?」