身体中が敏感になってしまったのか、ライアに触れられた所が熱をもつ。これ以上強く抱き締められたらその熱に浮かされてのぼせてしまいそうで、スズランは小さく抵抗を見せた。

「っ…はなしてったら!!」

「駄目…」

 ライアが何を考えているのか、一体何をしたいのか全く分からない。
 秘めている想いが溢れそうになり、腕の中でいやいやと頭を振る。しかしどうもがいてもこの腕の中から抜け出す事は出来なかった。

(どうして? なんでこんなことするの?)

 もう何が何だか分からなくなる。

「ライアのいじわるっ…」

 端正な顔立のライア。その中でも一等美しい瞳を精一杯下から睨みつける。溢れそうな涙を必死に堪えながら。するとライアはまた少し苦しそうに眉根を寄せて瞳を細めた。
 何故そんな顔をするのだろう。こちらが悪い事をした様な気分になってしまう。

 それはやはり突然だった───。

「っん…!」

 強引に唇をさらわれる。
 二度目の口づけ。
 まるで何かを味わう様に優しく唇を舐め取られ息も絶え絶えになった。

「……ふぅ…、っん…」

 苦しくなり空気を欲してもうまく呼吸できない。どうすれば唇を離してくれるのだろうか。