祝いの掛け声と共に台所の調理台の影から満面の笑みを浮かべたユージーンと少し照れた様子のセィシェルが登場した。
「マスター?! セィシェルも…! ど、どうして…」
「ふふ、驚いた? 今日はスズの誕生日だからね。セィシェルと一緒に内緒で用意したんだよ」
得意げな顔のユージーン。
誕生日などすっかりと忘れていた。そもそもユージーンに拾われる前の記憶は殆ど覚えていない為、スズランは自らの誕生日を知らない。まだ来たばかりの頃、ユージーンが祝う為に〝この日〟と決めてくれた〝仮〟の誕生日だなのだ。
「どーせ忘れてたんだろ? スズはほんっとドジだからな」
「…っ」
「こーら、セィシェル! またそうやってからかうな……うん? どうした、スズ?」
二人の気持ちが嬉しくて目の前が涙でぼやける。
「ご、ごめんなさい……嬉しくて…」
「ふふ。じゃあ、これを食べたら涙も飛んでいくかな? ほら」
ユージーンはそう言ってスズランの一番の好物である南瓜の包み焼きを取り分けてくれた。まだ暖かいそれを口いっぱいに頬張ると美味しさと二人の優しさにまた涙が滲んだが、今度はめいいっぱい微笑んだ。
「ありがとう…! マスターだいすき!!」
「マスター?! セィシェルも…! ど、どうして…」
「ふふ、驚いた? 今日はスズの誕生日だからね。セィシェルと一緒に内緒で用意したんだよ」
得意げな顔のユージーン。
誕生日などすっかりと忘れていた。そもそもユージーンに拾われる前の記憶は殆ど覚えていない為、スズランは自らの誕生日を知らない。まだ来たばかりの頃、ユージーンが祝う為に〝この日〟と決めてくれた〝仮〟の誕生日だなのだ。
「どーせ忘れてたんだろ? スズはほんっとドジだからな」
「…っ」
「こーら、セィシェル! またそうやってからかうな……うん? どうした、スズ?」
二人の気持ちが嬉しくて目の前が涙でぼやける。
「ご、ごめんなさい……嬉しくて…」
「ふふ。じゃあ、これを食べたら涙も飛んでいくかな? ほら」
ユージーンはそう言ってスズランの一番の好物である南瓜の包み焼きを取り分けてくれた。まだ暖かいそれを口いっぱいに頬張ると美味しさと二人の優しさにまた涙が滲んだが、今度はめいいっぱい微笑んだ。
「ありがとう…! マスターだいすき!!」