開店前の静かな店内。先に沈黙を解いたのはエリィだ。
「ふふ……なんて不思議な瞳をするのよ」
「えっ! エリィさんこそ、すごく素敵な瞳の色……夜の星みたく煌めいていて、その…」
「そう? ありがとう。貴女の瞳は角度によって色合いが変わって見えるのね、まるで淡い虹の様で素敵。髪の色だって綺麗な薄い千草色で…」
言いながらエリィはスズランの髪を一束掬う。何故だか間合いが近いエリィ。あまりに近いその距離感と色気にたじろいでしまう。
「……あ、あの? エリィさん?」
「でもあたし、まだ本物の虹を見たことがないの。だからもっと良く見せて…」
更に顔を近づけてくるエリィ。先程から何度も心臓が跳ねるのは妙に雰囲気のあるエリィに対する謎の恐怖感から来るのかもしれない、と気づいた。
「っ…」
「スズに触るなっ!!」
「!!」
「それ以上スズに近づくと、アンタに持ってきてやったこの飯。無かった事になるぜ!」
セィシェルの腕には野菜をたっぷり使った見た目も鮮やかなオムレツと、トマトで煮込んである魚介の冷製スープが乗った銀盆が掲げられていた。
「……やあね。そんな怖い顔しちゃって。勿論そのお料理頂くわ」
「ふふ……なんて不思議な瞳をするのよ」
「えっ! エリィさんこそ、すごく素敵な瞳の色……夜の星みたく煌めいていて、その…」
「そう? ありがとう。貴女の瞳は角度によって色合いが変わって見えるのね、まるで淡い虹の様で素敵。髪の色だって綺麗な薄い千草色で…」
言いながらエリィはスズランの髪を一束掬う。何故だか間合いが近いエリィ。あまりに近いその距離感と色気にたじろいでしまう。
「……あ、あの? エリィさん?」
「でもあたし、まだ本物の虹を見たことがないの。だからもっと良く見せて…」
更に顔を近づけてくるエリィ。先程から何度も心臓が跳ねるのは妙に雰囲気のあるエリィに対する謎の恐怖感から来るのかもしれない、と気づいた。
「っ…」
「スズに触るなっ!!」
「!!」
「それ以上スズに近づくと、アンタに持ってきてやったこの飯。無かった事になるぜ!」
セィシェルの腕には野菜をたっぷり使った見た目も鮮やかなオムレツと、トマトで煮込んである魚介の冷製スープが乗った銀盆が掲げられていた。
「……やあね。そんな怖い顔しちゃって。勿論そのお料理頂くわ」