そうだ。

南はいつだってそうだ。

そうやって言って落としてるんだ。
真剣な顔をして勘違いさせて落としてるんだ。

って、考えすぎだと思うけど。

南がこんな事言うのは私の反応を楽しんでるだけ。ただそれだけ。

だってそうでもなかったらこんなに絡む必要も無い。


現に御守先輩もいるし、他の女の子といるなんてダメなこと。
この場にいなくても2人きりなんてダメだ。


「っ、惑わされないからね!!」

「あっ、待って!」

「…っ!な、何!」

教室に向かおうとした時、私の右腕を南が引っ張る。

それに驚いた私は足を止めた。


「あー、と…」

「…何?」

「サボらない?」

「…はい?」


そして向かった先は屋上。

あ…1時間目数学じゃん……。