南の口にスプーンにすくったお粥を持ってくると、南は素直に食べてくれた。
もぐもぐしながら食べる南を見て少し微笑んでしまった。
なんか子供みたい。
「…美味しい」
「当たり前でしょ?私が作ったんだから!」
「……懐かしい味だなー…」
「…お母さんに作ってもらったことあるの?」
「うん。……本当の母さんに」
その言葉に引っかかった。
…本当のお母さん?
「あー、いや、うち再婚してるんだ」
「あ…そうだったの」
再婚したという事に驚かなかった。世の中に再婚する人は少なくないだろう。
私が驚いたのは、南が自分のことを話してくれたことだった。
「南…それ話してよかったの…」
「いいのいいのー。別に隠してないしね。それに、言ったのもりっちゃんだけだし」
「……っ」
私…だけ…。
御守先輩には言ってないのかな…。それとも知ってるのかな…。
そんな事で一人舞い上がる私。
それでも嬉しかったんだ。