あっという間に定演は終わった。
あたし達部員は急いで出入口に回って、来てくれた方々に挨拶をする。
由衣があたしを見つけて来てくれた。
母も、はるかの母と一緒に来てくれた。

―やっぱりアキラいないや…―

定演の達成感で胸がいっぱいのあたし達は、これから記念撮影して片付けたら部室で打ち上げ。

途中、はるかと控え室に寄る。携帯が気になってあたしがはるかを誘った。

迷わずすぐに携帯を開けると、メールが何通かきてた。
その中からアキラのを探して開く。時間は定演が始まる一時間前。

「ごめん、行けない。今日バイトどうしても入んなきゃいけなくなって…
本当に行きたかったけど…ごめんね。
俺もバイトしながら成功するように応援してるからね。頑張れ!」

あたしはこのメールがあまりにも嬉しくて、はるかにすぐ報告して舞い上がった。