朝。

7時半にセットした、由衣の大音量の携帯のアラームで目が覚めた。
今日も暑くなりそう。

アキラの家から由衣の学校までは歩いてもそんなに距離がない。
アキラは窓から顔を出し、由衣に道案内した。

あたしとアキラが途中まで送ると言ったが、由衣はパパッと準備してあっという間に行ってしまった。

「ほんとに急にごめんね、迷惑だったよね」
「いや、仕方ないよー優子が悪い訳でもないし」
「昨日寝れた?っていうか、ソファーで寝てるって話ほんとだったの?」
「あー、あれはうそ。でも大丈夫だったから!」

―やっぱり嘘だったんだ。アキラ優しすぎるよ…―

あたしも長居せずに帰る事にした。
アキラがまたチャリで送ってくれた。

アキラは華奢なのに、こうやって自転車の後ろに乗ってると背中が大きく感じる。