あたしは体を起こしながら右隣にいるアキラを見た。

―アキラ起きてたのかな…?―

「…ってか寒い」
小声でアキラが言った。

「タオルケットかける?風邪ひくよ?」
と、あたしが言い終わらないうちに、アキラはタオルケットに入ってきた。

アキラもあおむけになった。
触れたか触れないか分からない位に、あたしの右手とアキラの左手の先が少しだけ触れた。

アキラはあたしの手をギュッと握った。

―男の人どころか、人と手を繋ぐなんていつぶりだろう…
とか言う前にドキドキがはんぱなくて、おかしくなりそう―

アキラの手は、華奢な体にしては意外と大きく感じた。

アキラの指とあたしの指が交互に握られてる。
クーラーの音よりあたしの心臓の音の方が大きい。