気づけばもうすぐ模試が終わる時間だ。

―フラれたら、高橋くんとは友達にすらなれないだろうな。でも伝えなきゃ絶対後悔する…―

あたしは宏美の元を離れ、高橋くんが模試を受けている教室の近くで待つことにした。

異様なくらい長く感じる時間。
緊張で具合が悪くなってしまいそう。

―やっぱりフラれるのは怖いし、思いを伝えるのが怖い。
いっその事その時がこなきゃいい。―


その時。
先生の声と、ガタガタと椅子をひく音が廊下まで響いた。
模試が終わったみたいだ。

みんなが教室から出てくる。

少しして、一番最後に先生と話をしながら高橋くんが出てきた。