そんな土曜日の夕方、電話が来た。

見覚えのない番号からの電話はいつもなら取らないが、すぐに取ってしまった。

「優ちゃん?
急にごめんね。
アキラに連絡つく?何回も電話かけたんだけど繋がらなくて。
それに、できれば優ちゃんにも今すぐ私立病院に来て欲しいの」

懐かしい声の主は、アキラのお母さん・のりこさんだった。
のりこさんはものすごく早口で用件を言い、何があったのか聞く前に電話は切れてしまった。

すぐアキラに電話する。アドレスを消せず残していた。

―繋がらない…―

あたしは両親にお願いして、すぐ車を出してもらい私立病院に向かった。