楽しい夜が更けるのは早かった。

それからというもの、アキラの家にお邪魔する度、アキラの家族はいつでもあたしに優しくしてくれた。
色々楽しい話をしてくれたり、ご飯をごちそうになったり。
とても居心地良くて、ずいぶん前から知り合いだったような感覚。
アキラの家は、あたしにとっての第二の我が家だ。

あたしも、お父さんの事は「やっさん」と呼ぶようになり、お母さんは下の名前で「のりこさん」と呼ぶようにまでなっていた。

逆にアキラはうちに来た事がない。
アキラみたいに幸せな家庭の人に、うちの家族なんて紹介する気になれなかった。