金曜日。
学校が終わってから一旦家に帰り、アキラと駅で待ち合わせた。
アキラにメールし、アキラがチャリで駅裏に来てくれた。アキラの家から駅裏は飛ばせば5分かからないから、この流れが定番になりつつあった。

正式に付き合うってなってから会うのは今日が初めて。
あたしは妙に緊張した。
会った時の初めの挨拶さえ、何て声をかけようか迷うくらい。

アキラが来た。
アキラはいつもと変わらず、「よっ」と言う。

今日あたしはミニスカートを履いてたから、いつもみたいにまたがらず横座りでアキラのチャリの後ろに座る。右手をアキラの腰にまわした。

もう秋。
夕方ともなればだいぶ涼しい。

前からチャリで、学校帰りの高校生が二人向かってくる。

―K高の制服じゃん―

「うわー」
アキラが言う。
その二人のK高生は
「え!アキラ!お前ーいつの間に彼女いたんだよ!ヒューヒュー」

アキラはチャリをとめる訳でもなく、笑ってかわした。
すれ違い、遠くなっていく二人はギャーギャー言ってる。
あたしが後ろを振り返ると、二人はコッチをチラチラと見てた。

―よりによってアキラの友達だったのかー!恥ずかしー…―

聞いたら同じクラスの子らしい。
なんだかんだ言って仲良さそうだ。