今日はカラオケ。
あゆみはいつものようにがっつり化粧してきた。

今日はアキラの家にみんなで泊まる事になるらしい。

そう君は…
シッカリ者で真面目そう。唯一今日のメンバーの中で進学高に通っている。身長はあたしより高い位。

―あゆみがそう君みたいな人と付き合ってるのもちょっと予想外。
だけどアキラとそう君が仲良いのはもっと予想外かも―

あゆみと初めてのカラオケだったが、あゆみもかなり上手い。でも、あゆみも男の人の歌も歌うしカッコよかった。
今のあたしが歌う歌も、あゆみにいい曲だよって教えてもらった歌だったりと、多少なりともあゆみには影響されている。

「優子、何か一緒歌おう!」
アキラが言った。
いざ二人で歌うとなると恥ずかしい…散々歌う曲に迷って、Goind Steadyの「佳代」を歌う事にした。

曲のイントロが流れ出すと、
「ごめん、初めの部分だけ俺に歌わせて!」
と、そう君がマイクを握った。

『二人の為に
 二人にだけに
 この地球は回っていたのだろう』
を、

「アキラの為に
 優ちゃんの為に
 この地球は回っていたのだろう」

と、そう君は歌ってくれた。

あたしとアキラは、恥ずかしさが隠しきれなくて笑った。
由衣も隣で微笑んでいた。