「そろそろ寝るかぁ!二人だとベッド狭いだろうけどいい?」
「え、あ、うん!」

―想像はしてたけど…やっぱり一緒に寝るんだよね、どうしよう―

ちゃっかりとジャージを持参してたあたしは、着替える事に。
別にいいよって言ったのに、アキラは部屋の外に出てあたしが着替えるのを待ってくれた。

寝る前に行っておかなきゃって事でトイレに向かう。
隣の部屋のお兄さん一家を起こさないよう、暗くて視界が悪い階段をゆっくり降りる。

その時、トイレの隣が居間になっているらしく、そこから出てきた体格のいいおじさんと鉢合わせになった。親戚の人だろうか。

「あ、すいません、こんばんは」
と、一応挨拶。
あたしは謝る癖がある。
おじさんはお酒も入っているからかご機嫌で、ニッコリして行ってしまった。

後から知った事だが、このおじさんはアキラのお父さんだった。