食い気味だったよ?どんだけ嫌いなの。
それでも、私のために嫌いな人と一緒に行動してくれたんだ。いいとこあんじゃん。
「ああいうことを平気でするから、嫌いなんだよねぇ」
……それは、フォローのしようがないな。
自分のためなら、躊躇なく良い子にも悪い子にもなれる唄子ちゃんは、唄子ちゃん自身も周りも好き嫌いがはっきりしてるんだろうな。
「幸珀は嫌いじゃねぇの~?」
「私は、嫌いじゃないかな」
「なんで」
「真顔やめて。ウケる」
心の底から疑問なのはわかったから。
急に表情なくすな。
「なんで、って言われてもなぁ。小悪魔なところも可愛いのは事実だし」
「変わってんね」
「お前もな」
「えっ、僕も?僕のどこが変わってるわけ~?」
「言い出したらキリがないから、簡潔に教えてあげるね。全部」
「全部!?」