静かに眠らせてくれよ。


私がどれだけ疎ましそうにしていても、ほっぺをツンツンされた。



「く」



誰?

私を起こすのは。



「んん……」


「あ、起きちゃった?」


「……ほへ?」



不満げに目覚めたら、善兄の国宝級に整った顔がドアップで視界に映った。



え?どうして、ここに善兄がいるの?授業は?


わけがわからなくて、すぐにこの状況を理解できなかった。




「ふふ。ほへって……幸珀は可愛いな」



善兄の笑い声で、ハッと正気に戻る。



てか、近い近い!!


善兄のパーソナルスペースどうなってんの!?私に対してだけ、超至近距離すぎるでしょ!