走り疲れたから、本来の目的であるお昼寝をしよう!
私ははしごを使って、給水塔の上に登った。
お気に入りのサボり場所。ここでお昼寝しながら午後を過ごそう。
寝転がって、瞼を閉じる。
主張の弱い風が私の真上を横切った瞬間、ギィ……と扉が開く音が耳の奥を通った。
誰かが屋上に来たのかな。
完全に閉められていない扉が、風に揺れただけならいいな。貸切状態は継続していたい。
小さく寝返りを打って、だんだんとまどろんでいく。
「こ」
……ん?
なんか、ほっぺをツンツンされてる?
「は」
虫か何か?
やめてよ。私は寝たいんだ!
くすぐったくて、もぞもぞと体を動かす。
ツンツンすんな!邪魔だ!