行ってらっしゃーい。
退屈な授業を、皆頑張ってきてね。ファイト。
私はここで気ままにのんびりお昼寝してるよ。
「幸珀」
「なに、朔」
「兄貴には気をつけろよ」
「ほーい」
善兄はどこかで教育実習生としての役目を果たしてるだろうし、ここには来ないはず。
そう、ここは、善兄のいない自由な世界。居心地が良すぎて離れられない!
「だらしねぇ返事だな。本当に大丈夫か?」
朔は心配そうにブツブツ呟きながら、たかやんと弘也と剛と共に屋上をあとにした。
私だけになった屋上が、急にとても広く感じた。
わああああ!!、と叫びながら走り回ってみる。なんだか青春っぽくない?
1周して、冷静になった。
よし、やめよう。体力がなくなる。
懸命な判断だな。