なに?皆して、私を蔑んでるような眼差しでこっちを見て。
「お前も頑張れよ」
「私はもうちょっと休憩したいのっ」
「わがままか」
剛がわざとらしく吐息をこぼす。
だって、私、不良だよ?不良なら、かったるい授業なんかサボるのは当然でしょ。
……ちなみに、私は不良になる前からそうだったとか、そういったケチは受け付けておりませんのであしからず。
「皆の方こそ、不良のくせに真面目に授業受けて……おかしいと思わないのか!」
「不良だって授業に出なきゃいけねぇだろ」
「そんなの不良じゃない!」
「偏見やめろ」
たかやんに冷然と否定されても、私は立ち上がろうとはしなかった。
私の意志は固い。
サボるったらサボる!
「はぁー。こいつは置いて行こうぜ」
「そうだね~」
何を言っても無駄だと呆れ果てたたかやんが、屋上の扉をゆっくり開けると、弘也が私に手を振りながら誰よりも先に屋上から出た。