あはは。いつからか、真っピンクとみかん色の2色のうちどっちかって流れになってる。ウケるー。何その究極の2択。拒否権発動するしかないやつじゃん。
朔がイメチェンしたいなんて言うからだよ。これぞ、口は災いの元、だね。勉強になった。
「あー、もう!俺、イメチェンしねぇ!茶髪のまま生きてく!」
朔が弘也のみかん色推しを振り切って宣言したと同時に、昼休み終了のチャイムが学校中に響いた。
お疲れ様、朔。よく言い切ったね。
ひー、笑いすぎてお腹痛い。お弁当の美味しさと相まって、気持ち的には絶好調だ。
「またイメチェンしたくなったら言ってね~」
「弘也にだけは絶対言わねぇ」
弘也のゆるい笑みに、朔の口角が若干引きつった。
あ、私にも言ってほしい。イメチェンしたいって言ってくれたら、いつでも真っピンクに染められる準備しとくから。ついでにカメラも剛に用意させよう。
「じゃあ、教室戻るか」
たかやんの一言で、皆は嫌々そうに腰を上げた。
「皆、授業頑張ってねー」
ただし、私1人だけ座ったまま。
のんびり足を伸ばして、皆に手を振る。