さすがに朔でも、真っピンクな髪色は無理がある。だが、そこが面白い。ぜひ見てみたい。そんで記念に写メ撮って、年賀はがきにして送りつけたい。




「えっ、朔、真っピンクにすんの~!?」


「プッ……、ゆ、勇気あるな」


「朔なら案外似合……わねぇな」


「だから、真っピンクになんかしねぇっつってんだろ!?」




真面目に受け取った弘也と、噴き出した剛と、真っピンクな髪の朔を想像したたかやん。


そんな3人に大声で反論した朔は、パンと一緒に買ってきたらしいお茶のペットボトルをグシャリと潰した。



「あああっ、ちょっと、お茶こぼれてる!」


「うわ、やべっ」


「まだ中身入ってるんなら、潰さないでよ!」



真修じゃないんだから、ドジるのやめてくれる?



女子力のある私は、スカートのポケットからハンカチを取り出そうとした。


けど……あれ、ないぞ?



これは、家に忘れてきちゃったパターン?



……ま、いっか。

天気いいから、そのうち乾くでしょ。


開き直って、女子力がないのを強引にはぐらかした。



「髪染めるなら、俺のイケメンさが引き立つ色がいいよな」


「それじゃあやっぱり、真っピ……」


「真っピンクは却下だ。当たり前だろうが」



私の意見を、朔が一刀両断した。