その場にいた、全ての村人が。

まるで糸の絡んだ操り人形のように空中でもがく。

見ようによっては滑稽にも思えるその光景。

しかし次の瞬間。

「!!!!!!」

村人達の肉体は、空中に浮遊したまま風船のように膨張し、爆ぜた。

肉片を、血飛沫を撒き散らし、艶やかな血の華を咲かせ、次々と肉体を破裂させていく。

飛び散った血と肉は辺りに降り注ぎ、地面に血だまりを作る。

ベチャリと。

湿った肉の音を立て、私の頬に爆ぜた村人の肉片が張り付いた。

…私に感情が残っていれば、表情が残っていれば、気が狂うほどに泣き叫び、悲鳴を上げ、戦慄していた事だろう。

それほどの地獄絵図だった。

それにしても驚くべきは1号の念動力。

包囲していた村人達は50人以上はいた筈だ。

それを一度に浮遊させ、一瞬にして破裂させるとは。

その力もさる事ながら、その残忍なやり方には恐怖を覚えた。