ヘリから矢崎は命令を下す。

「1号、その二人を処分しろ。手段は問わない。それが終わったら3号…小山田哲平もだ。全員処分し終えたら帰還しろ」

それだけ言い残し、矢崎を乗せたヘリは廃棄場上空を去っていく。

…場に残されたのは私と黛さん、1号、そして。

「……」

この村の住人達だった。

あれだけ派手な登場をしたのだ。

私達と1号は、既に村人達によって包囲されている。

各々凶器を握った村人達によって囲まれる私達。

もう逃げる手段など残されていない。

ここは強行突破しか方法は考えられないだろう。

そう思った矢先だった。

「フフ…フフフフフフフフふハハハハハハハハはハハハハハハハハ!!」

包囲の中で1号は嗤った。

それこそ狂ったような高笑い。

その笑いと同時に。

「!?」

包囲していた村人の一人の体が、フワリと宙に浮かび上がった。

一人だけではない。

次々と浮遊していく村人達。

空中でもがく所を見ると、自らの意思で浮遊している訳ではないようだった。

となると誰の仕業かは明白。

これは1号の念動力によるものだった。