通ってから後悔しても、遅い。
私は裏切られていることに気づいちゃったんだ。

バスケの試合をチラッと見るために体育館の前を通った自分を、責めたい。

そして体育館をみて目に飛び込んできたのは、試合よりも…
その奥でイチャつく男女だった。
瞬きすら忘れるほどに、見入ってしまった。
ショックなのに、なぜか立ち下がれなかった。
奥の男女とは、魁斗と明だったから。
そっか、そうだったんだ。
つまりは魁斗は明と仲良くなりたくて、私のこと…利用してたんだ。
そうなんだ…明だって…私の好きな人、知ってるのに…涙が止まらない。溢れてきた。しゃがみこんだ目の前にサッカーボールが転がって来たけれど、泣くのに夢中で、気づかなかったバカな私をどうにかするのでいっぱいだった。
ああ…一気に2人に裏切られるなんて…
日曜…何をするつもりだったの?
明は、彼氏がいるんじゃなかったの?
この時私の中で何かが壊れ始めた気がした。