正確に言えば何時間ぶりなのかもしれない


だけど11年ぶりのあいつをヘルメット越しに

じっと見つめる

俺に気づいて少し気まずそうな感じだった。


俺はそっとヘルメットを取った


すると強い風が吹き付けて


彼女の綺麗な黒髪をなびかせる


ずっと綺麗な黒色のままだ


きっと染めたことなんてないんだろう

だって、こんなでかい家に住む


お嬢様だから


そう思ってあいつの家をあの日のように見上げる