がやがやがやと家の中が騒がしかった。

ぼーっとしていた私は気になって音がする方へと行ってみた。

すると。

「あー！桃花！久しぶりじゃない！」

と、お姉様が声を上げる。

お姉様の名前は高星 桃葉 （たかほし とうは）という。結構な美人で性格も美人。おまけに成績優秀だったが、一時期思い切り成績が下がりお父様からの信頼がズドンと下がってしまい、跡取りが私に変わったらしい。

「え…お姉様っ！？」

お姉様はずっと海外留学を幼い頃からしていたので会うのは年単位で久しぶり。

だから例の誕生パーティーも来れなかった。

「桃花、私ね、お父様の会社をつごうとおもうの。桃花はどう思うかしら」

単純に言えば、嬉しかった。

正直社長なんてただの重荷のようにしか感じなかったから。

「私は、いいですよ。社長なんて、そんな役似合いませんから…」

「じゃあ、北岡翡翠さんでしたっけ。その方が私の婚約者になるそうだけれど…桃花はいいの？」

「私は！全然構いません！」

そう答えると笑顔のお姉様。

「良かったわ。もうお父様からの許可は得ているから」

良かった。

これで

東さんに気持ちを

伝えられるのかな？

「頑張ってください、お姉様！」

「ええ！もちろん！」

そう言ってお姉様は素敵に微笑んだ。