気がついたら部屋を飛び出し、玄関まで来ていた。

バッと玄関の扉を開けようとするとお手伝いさんに呼び止められる。

「今日は、婚約者のお方とお食事ですって。ご主人様がおっしゃっていましたよ」

「そうですか。ありがとうございます」

そう言って家を出る。

けど、思った。

〝婚約者がいるのに…恋人なんて作っていいのかな〟って。

まるで浮気みたい。

いや、北岡さんのこと好きではない。

ただの〝政略結婚〟って言うだけの話。

だけど…ダメな気がする。

そこで〝魔法〟のことを思い出す。

北岡さんとの婚約を解消するようにすると言う案が自分の中で出た、けど、何か違う気がする。

そんな無理矢理にそんなことしていいのかな…って。

あまり良くないかもしれない、そう思った。

そこを無理矢理に〝魔法〟そんな力を使って、解消するのはきっと意味がない。

そう思った私はある決断を私はした。