【冬華side】

病院から出た後にバスに乗る。

ていうか、あの夢…予知夢だったとか…?

…ええい!考えるのやめようっ!頭が考えれば考えるほど混乱するぅ!

とにかく…あーあ、これからどうしよう。

私、バイトした方がいいよね。

どんなバイトがいいかな……。接客業やりたいけど…人見知りだから接客業上手くいくかなぁ…。そんな風に漠然と考えていた。

『美扇高校前〜。美扇高校前〜』

ボッーとしてるとあっという間に着く。

やっぱり高校の前にバス停があるって凄い便利だな。

そしてバスから降りてトボトボというくらいの速さで歩く。

…帰ったら何しよう。

やっぱりバイト探してみようかな。

歩いているとあっという間にに家の前に着く。

ポケットから鍵を取り出そうとすると?

「冬華ちゃん、大丈夫?」

私を〝冬華ちゃん〟と呼ぶのはーーーーー?

橋谷センパイだった。

私はものすごく驚いていた。

理由は一つ。

〝どうして家を知っているのか〟

…なんでだろう。

「すごく疲れ切ったカオしてるけど」

爽やかな笑顔で微笑む橋谷センパイ。

「え……………」

「お父さん。お母さん大変だね。」

「!」

ニュースでやってたのかな…?

そこでやっぱり〝お父さんが亡くなった〟という事実が突きつけられる。

やだな…。

「カワイソウ」

カワイソウ…?

…カワイソウか。

正直、カワイソウって言葉はスキじゃない。

だって、〝見下されてる〟みたいじゃない?って思ってしまう…。

自分は相手のカワイソウという状態ではなく、相手が劣っていると考えているから言えるだけであるから…個人的にスキじゃない。

相手は心配とかそういう意味で言ってくれてるんだろうけど…。

やっぱりスキじゃない。

「こんな時になんだけど、お茶しない?」

気分が紛れると思うよと続けてくれるセンパイ。

断る理由もないし、暇だから行くことにした。