【叶翔side】

「はあ。あんた…やりすぎだよ」

その声に気づいて目を覚ます。

すると一面灰色の世界が広がる。

そこには〝魔夜〟という少女が立っていた。

「やりすぎって…」

いきなりの魔夜の登場に驚きを隠せない俺。

「わかってないのか?タイムリープ、だよ。タイムリープ」

はあ。と大きくため息をつきめんどくさそうにする魔夜。

「それで…あんた。なんで恋人を救えないんだって思ってるんだって?」

「な…で。それを…?」

まるで…心が見透かされて見てえだった。

「教えて欲しいか?なぜ。恋人を、小宮冬華、を救えないのかを」

思わずゴクリと唾を飲み込む。

「これは…願いを叶えたということではないよな。そのうちにはいんねぇよな?」

「ああ。当然だ。私がしているのはただの〝お知らせ〟にすぎないからな」

なんだ…この。まるで冷気が漂うような寒さは。

その寒さは彼女から発されているのか…?

「じゃあ…頼む。教えてくれ」

「よかろう。お前に教えてやる。ただ。泣くなよ?面倒だからな」

「もちろんだ…」

この先何が暴かれるのだろう。