『おおおおっと!ここで、彼氏の登場ですか?!?!』
うるさい司会が余計なことを…
その一言で皆んながまた ドッ と騒ぎだす。
するとーー、
「あ…」
悠人くんにとって1番無くてはならない眼鏡が外れてしまった。
ーーー!
や、やばい…っ
やばいやばいやばい…
何故かってーー?
「え、あれ瀧くんかっこよくない?」
「眼鏡ってすげー」
「普通にイケメンなんだけどぉ!」
こうなるからだよーーーーーー!!!
あたしは掴まれてた腕を解き、今度はあたしが悠人くんの右腕を握りしめ走り出した。
「は、花っ?!」
今すぐここから逃げなくては!
ドレスだから走りにくい…っ
「花っ、」
すると悠人くんが立ち止まって、2人の足が止まる。
「もう大丈夫だよ…」
辺りを見渡すと、学校の中庭に来ていた。
誰もいない場所で、きれいなお花達があたし達を囲む。
「花、何で急に走りだしたの?」
「…それは…っ、その…」
なかなか言えなくて、下を向いてしまう。
「僕は、びっくりした…和くんに花と壮介くんがコンテストかなんかに選ばれて出てるって聞いて」
「うん…」
「そしたらなんか皆んなに乗せられてキスしようとしてたし……しかもよりによって壮介くんだし」
「ごめんなさい」
「いいよ。
僕が間に合ったからいいんです」
ふわっとあたしの髪に指を絡める。
「可愛い…です。今の花」
「ド、ドレスのお陰だよ…」
「ううん、すっごい綺麗」
ーーーっ…
悠人くんってよくこんなド直球な甘セリフすらすら言えるな…
また心臓がもたなくなっちゃうよ…。
だから、あたしも言わなきゃーー、
「あのねっ、悠人くん自分では自覚ないかもだけど、眼鏡してないとすっごくカッコイイの!!
だからその姿を女の子に見せたくなくて走りました!!!はい!!」
あ、最後の締めジャン○ケの斉藤さんみたいになっちゃった。
「ふ、じゃあ明日からコンタクトにしようかな」
「え!何で!ダメダメダメ!さっきあたし言ったじゃん…っ!」
「こんなにも花が嫉妬してくれるんだから。コンタクトにしたくなるよ」
「………」
かぁ…と自分でもびっくりするくらい顔が赤くなるのが分かる。
「花、こっち向いて」
前を向くと、悠人くんが優しくこちらを見て微笑んでいた。
「悠人くん…?」
優しく悠人くんの手が頬に触れる。
「本当に好き」
「えっーー」
そう言って優しく唇を重ねたーー。
そして、離れると悠人くんが口を開けた。
「花に出会ってなければ、こんなに毎日楽しくなかったし、僕自身も変われてなかった。
杏さんや和くんとも仲良くなっていなかった。本当に感謝してるんだ」
「そんな…っ、あたしは何も…」
そして、大きな手の平をあたしの頭に乗せる。
あ……これ。
あたしが悠人君のことを好きになったきっかけの1つでもある。
「だから、ずっと僕と一緒にいてくれますか?」
ーーーえ、
なんか、これ…
「プロポーズみたいだね」
あたしはちゃっかりドレス着てるし。
「花、返事」
「もちろん、はい!!」
綺麗な花達に囲まれながら、あたし達はキスをした。
「悠人くん、大好きーー」
地味で暗いあたしの彼氏は、世界一カッコイイあたしの王子様。
「ちゃんとしたプロポーズはまた何年後かね」
「えっ、えっ、え!」
「花興奮しすぎ」
そりゃあ興奮しちゃうでしょ。
悠人くんのお嫁さんだなんて。
瀧花………字数少なっ!
けど全然アリですな♡
「ねぇ、あなた、今日の晩御飯何にする?あっ、じゃなくってあれがしたかったの!!!
おかえりなさ〜いあなたっ♡
御飯にします?お風呂にします?それとも、あ・た・し?」
さすがにバカすぎた。絶対悠人くん引いてる絶対引いてる。
結婚もしてないのに、こんな新婚ごっこに付き合ってくれるわけない…
「じゃあ、花」
まさか……これは事件です。
ーー完結ーー
ここまで読んで下さりありがとうございます。
ぶわー、っとコメディテイストで書き上げ読みにくい部分もあったり、無理矢理な部分あったと思います。
すいません。
花の幼なじみ、中本壮介の話しを別で書いております。
「子犬男子に懐かれました」
公開しましたので、興味があれば覗いてみて下さい。
花と瀧くんも出てくる予定です。
本当にありがとうございます。
snyuex.