栗色のミディアムの内巻き髪の少女、
久里杏(くり あんず)は学級委員長だ。
彼女、国語、英語、社会はできるのだが、数学と理科が絶望的にできない
中学3年生である。

朝、杏は学校中を走り回っている。
彼女は学級委員長、同じクラスの不良、
斉藤を連れてこいと先生に頼まれたのだ。
「あの犬め...どこにいった??」
杏は斉藤のことを犬と呼ぶ。
斉藤の下の名前は剣(けん)だからだ。
(まあ、だいたい何処に行くかの目星はついているのだが。)
杏はニヤリと笑う。
杏は国語が異常に得意だ。
人の気持ちなんか簡単にわかってしまう。
「体育館倉庫、エレベーター前にいないとすると...」
杏は階段を一段とばしで登る。
が、久里杏。
体が小さく、体力が無いためすぐにバテてしまった。
小さな足で杏が階段をすべて登り降りると、その右に屋上へと出る扉があった。
杏は勢いよく扉を開ける。
「見つけたぞぉ!犬ゥ!!!」
そこに居たのは驚いた顔の斉藤が居た。