今年の夏。
サークルで花火大会に行った。

普段はTシャツにジーンズといういでたちが多い彼女が浴衣で現れた。
女っぽい格好はし慣れていない分、他の女よりも照れくさそうにしていた。

麻美を見るほとんどの男どもの目がいやらしく思えた。

かくいう俺も全くの同レベル。

その時、はっきりと麻美を女として見ていた。

しかし、この時に恋愛感情があったかと訊かれると、正直答えずらい。
まぁ、男の性というやつで勘弁してほしい。


麻美の隣をすかさずとった。

ふたりで並んで打ち上がる花火を眺めた。

このへんじゃ、かなりデカい花火大会。

俺らの観ている場所はかなり混雑していて、ちょっと動くと隣の奴に体が当たるほど。

結果、偶然だけれど、俺たちも手が触れた。
だけど、俺はそのまま握った。
すると、ためらいがちに麻美も握り返してきたんだ。

そして、俺はそれとなく彼女にくっついた。

蒸し暑いせいかその状況のせいか、俺たちの体温はどんどんと上昇した。



その日以来、俺たちはお互いの部屋を行き来しては体を重ねている。

しかし、関係はさほど今も前も変わらない。
セックスを伴った仲のいい友達だ。