麻美とはずっとずっと友達だった。
仲間うちの女のコでは一番仲が良かった。
麻美は物をよく知っていて、さりげなく薀蓄をたれる。
本当に「さりげなく」やるから、イヤミがない。
麻美は女にしては背が高い。170近くあるようだ。
それを気にしているのか、あまりヒールの高い靴を履いたことがなかった。
背は高く、格好もどちらかといえばラフだった。
けれど、それは彼女によく似合っている。
サークル内でも秘かに彼女に想いを寄せる男がいることを俺も知っていた。
だから、俺はそんな彼女と仲が良いことは鼻が高かった。
だけど、そんな麻美には「地元に残してきた」という彼氏がいた。
だから、麻美を気に入っている奴らも、迂闊なことはしなかった。
この俺をのぞいては。
