薄暗いその中には、ガクガクと震えている、俺よりも小さい女の子がいた。


見えるんだ、この子にも。


そう思ったら、特殊な同じ共通点がある年下の女の子が、自分を見ているようで、凄く不憫に思えた。


その後、神社によく来るようになったその子は、笑顔を向けてくれるようになって、その笑顔を守りたいと思ったんだ。


「ありがとう、お兄ちゃん!」


「よしよし。雪姫ちゃんは強い子だね。」


この時には俺は雪姫ちゃんの事を好きになっていたんだと思う。


けれど、また引っ越す事になり、雪姫ちゃんとは離れ離れになった。


それからも転校が多かったが、見た目のおかげか、すぐにクラスに馴染めた。


けれど、また転校する事を考えると、友達や女の子と深く付き合う事は出来なくて、広く浅く、適当になっていった。


何人かの女の子に告白されても、適当に付き合って、好きになる事はなく、すぐに別れを告げた。


「さいてー!」


毎回、そう言われて平手打ちをくらった。
いつの間にか俺は女たらしで有名になっていた。


でも、そんな事はどうでもよかった。