午前6時。
目覚ましの音で目が覚める。
いつものように学校へ行く準備をして夏菜ちゃんと寮を出る。
教室の自分の席に座って空を眺める。
青くて雲一つない快晴の空。温かい太陽の光が降り注いで眠くなる。
優馬君も同じ空見てるかな。
優馬君のあと一つの未練ってなんだろう。
死んでもなお、強く未練に思う事…。
好きな子に告白…とか…?
今日でお別れ…。
そんな事を思うと切なくなり胸が痛くなる。
ちょうどチャイムが鳴り、泣きそうになる気持ちを抑えて教科書とノートを開く。
1限目は好きな古典の授業。
先生が教壇に立ち授業を進めていく。
好きな授業の筈なのに、今日の夜の事ばっかりが気になって頭に浮かぶ。
だから…だろうか。
「なにしに、悲しきに見送り奉らむ。われをいかにせよとて捨てては上りたまふぞ。具していでおはせね。」
授業中、この言葉が聞こえてドキリとする。
優馬君と夜を過ごした日を思い出す。