「…なんてね、冗談。雪姫ちゃん、動揺し過ぎ。」


クスクス笑う優馬君。
またやられてしまった…。
彼が言うと冗談なのか本当なのか分からない。


「そろそろ戻らないと、時間だよ?」


時計を見ると午前6時30分になっていた。


「うん。…私、今日の夜もここに来るからね?」


「分かってる。遅れちゃうから早く行きな?」


「うん…行ってきます。」


「いってらっしゃい。」


そして、私は毛布をもって図書室を後にした。
部屋に戻ると、ちょうど着替えていた夏菜ちゃんは驚いていた。


「びっくりしたー!おはよう、雪姫ちゃん!昨日はどうだったの〜?」


ニヤニヤしながら聞いてくる夏菜ちゃんに私は曖昧に答える。


「えっと…話をして…ずっとそばに居てくれたよ。」


「そっかぁ〜よかったねぇ♪」


夏菜ちゃんにそう言われたけど、私は不安だった。


私がいない間に優馬君が居なくなってたら、どうしようって思うと、不安で不安で仕方ない。


その不安は全然消えてくれなくて。
どんどんと増すばかり。