あれ…てっきり何かしてくると思ってたのに。
私の予想は外れてしまった。
なんで私、残念に思ってるんだろう…。


「優馬君も毛布…かけない?」


「俺はいいよ、体温ないし…。っていうか、俺とくっついてたら、逆に寒くなっちゃうでしょ。」


そっか…優馬君、体冷たいもんね。
今日は抱き締めてくれないのかな。
なんだか少し寂しいな…。


「あー…ちょっと、ちょっと。俺のなけなしの理性飛ばさないでくれる?」


優馬君は毛布ごと私を抱き締めて、私の肩に頭をこつん、と乗せる。


「えっ…どういう…。」


顔を上げた優馬君は少しお説教をするみたいに話し出した。


「男の前で抱き締めて欲しい、なんて顔しちゃダメだよ?だいたいねぇ、君は普通にここに来たけど、男と一夜を過ごすって意味分かってるの?」


「えっ!?い、一夜っ…!?」


「はぁー…。雪姫ちゃん、無防備過ぎ。俺が幽霊だからいいけど、人間だったらとっくに襲っちゃってるよ?」


「お、おそっ…!?」


私は熱くなっている頬に両手を当てる。


優馬君、そんな事思ってたの!?
確かに抱き締めてくれたりとか、キス…とかしてきたけど…!


テンパっている私を見ていた優馬君は更に追い討ちをかけてきた。