「じゃあ、もう一つの未練ってなに…?」


「もう一つはねぇ………まだ教えなーい。」


「えっ…なんで!?」


「なんでって、まだ子供の雪姫ちゃんには早いって事。」


「えぇ!?」


「なーんてね、それは嘘。…今、君に言ったらほんとに終わっちゃうからね。まだ秘密。」


「え…どういうこと?」


「とりあえず、俺はまだもう少し、雪姫ちゃんと一緒にいたいって事。だから、また明日からも図書室来てくれる?」


「…うん。」


腑に落ちない私は少し眉をひそめる。


「じゃあ、今日はもう帰りな?」


「え、なんで?」


「なんでって…あのねぇ…。君、ランニングの時に倒れそうになってたでしょ。最近寝れてなかったんだよね?」


あの時、見てたんだ…。
確かにここから校庭見えるもんね。


「でも、もう大丈夫だよ?」