そして、心の底から安堵して涙が溢れた。


「…よかったぁ〜…。覚悟は…してたけど…やっぱり悲しくて……ひっく…。」


泣きじゃくる私をそっと抱きしめてくれる優馬君。


しばらくして落ち着いた私は優馬君を問い詰める。


「…優馬君は最初から知ってたの…?もう一つの未練の事……。」


「うん…まぁね。」


さらりと言い切る優馬君にムッとした。


「なっ…なによ、それ!私のさっきの思いを返してよっ…!」


「やだよ…行かないで…!ってやつ?」


優馬君は私の声真似をして喋る。


「うぅ…もう知らない!優馬君なんて大っきらい!」


私はそっぽを向いて不貞腐れる。
大っきらいなんて、ほんとは嘘。


でも、私は真剣に言ったのに、優馬君はからかっただけだったなんて…!


「ごめん、ごめん。本当は言い出せなかったんだよ。雪姫ちゃんともっと一緒にいたくて。」


「え…ほんとに?」


「こんな嘘ついたりしないよ。」


真剣な優馬君の目を見て、嘘じゃないと確信した。