「雪姫ちゃん、可愛い。」


私は照れて黙ったまま。
それでも優馬君は話を続ける。


「雪姫ちゃん、ありがとう。君のおかげで俺の願いが叶ったんだ。俺、ほんとに感謝してるんだよ…。」


すると、優馬君の足が透けていく。
それは徐々に上に広がって。


どくん、どくん、と嫌な脈を打つ私の心。


「優馬君っ…!やだよ…行かないで…!」


「ごめんね…雪姫ちゃん…。」


「やだよっ…私…私っ!……て、あれ…?」


優馬君の透明化が途中で止まっていることに気が付いた。


「え、え、なんで止まるの??」


「ごめんね、雪姫ちゃん…。こんなタイミングでなんだけど、俺、もう一つ叶えてない未練があるんだよねぇ。」


「え…えぇ!?…じゃあ…優馬君、まだ消えないの…?」


「そうなんだ。黙っててごめんね…?」


想定外の優馬君の告白に、ただただ呆然とする私。


「雪姫ちゃん…?怒っちゃった…?」