「…なんか短いようで長かったね。」
「そうだね、それにすごく綺麗だったよね。」
それぞれに短い感想を述べると、再び静寂に包まれる。沈黙を破ったのは優馬君だった。
「ねぇ、誰にも邪魔されたくないって、さっき言ってたけど…そんなに俺と二人きりで見たかったの?」
優馬君の言葉に少し戸惑ったけど、私は素直に答えていた。
「……うん。」
「雪姫ちゃん可愛過ぎ。ねぇ…キス、してもいい?」
「……うん……。」
「目、閉じて?」
優馬君に言われるがままに私は目を瞑ると、冷たい唇が私のそれと重なる。
もうすぐお別れの時。
いっ時のものではなく永遠の別れ……。
今にも消えてしまいそうな程の優しく長いキスは私の心を切なくさせた。
夕日が射し込む図書室。
この静かな空間に二人の吐息だけが溢れる。
ゆっくりと唇が離れると優馬君は言った。