私は急ぎ足で図書室に向かう。
ドアを開けると、窓の近くにはやっぱり優馬君がいた。優馬君はぼんやり空を見ていて、私に気付いてないみたい。
「ゆ、優馬君っ…。」
「━━━…雪姫ちゃん…?」
こちらを見た優馬君はすごく驚いていて、少し黙ったままだった。
「あの…優馬君…?」
「ああ…ごめん。まさか来てくれるとは思ってなかったよ。」
「あの、私…ごめんなさい!この前はっ…」
私が言い終わる前に、ふわっと冷たさに包まれる。それは優馬君が抱き締めてくれたからで。
「謝らないで?俺がいけないんだから…許してくれる…?」
「うん……。」
優馬君は体を離すと言った。
「会えない間、ずっと雪姫ちゃんの事ばかり考えてたんだ。」
私の胸がずきん、と痛む。
ずるい…。本当は想ってる人がいるのに。
心に好きな人がいるのに、そんな事言うなんて。
私…期待しちゃうよ。
優馬君は私の事が好きなんだって。
期待しちゃうよ…。