部屋を出て図書室に行くと、優馬君がいつもみたく空を見ながら待っていてくれた。
私は会えたことが嬉しくて仕方なかった。
「……あ、今日は早かったね。」
「うん、何もする事がなかったから…。」
「あははっ…君、嘘つくの下手過ぎ。本当は俺にすごーく、会いたかったって顔に書いてあるよ。」
優馬君は私の事をお見通しみたいで、気持ちを隠してもすぐにバレてしまう。
でも、そういう優馬君の顔もすごく嬉しそうに笑ってる。
「さて、今日から金環日食の事を教えるんだったね。まずは本を取って欲しいんだ。」
「うん、分かった!」
優馬君が指さした本を私が本棚から取る。
何冊か手に取り、窓近くのテーブルにつく。
「じゃあ、まずは━━━━……」
そう言うと、優馬君が指示する通りに私が本のページを開き、図や絵を見ながら説明してくれる。
その説明は分かり易くて、私にも理解出来た。