「大丈夫!大丈夫!大丈夫だから!私は大丈夫!」と自分に言い聞かせる。
【本当にそう?】
心の中にいる別の自分が私の脳内で話し出し、心に直接響く。
別の自分は〈自分〉なだけあっていつも痛いところをついてくる。
「ええ、大丈夫よ。私は桜庭家一人娘、桜庭美月だもの。」
私は、再び自分に言い聞かせる。まるで感情を殺し、心を殺すかのように。
【ふぅん・・・そのスタイルを貫き通すんだ。・・・・でもいいよ。アンタには、いつか光が宿って今の自分から生まれ変われるって分かるから。だって私は・・・アンタと同じ、桜庭美月だから。】
・・・嘘よ。分かってない。私には誰もいないのに。
表面上は1人じゃなくたって、中身は1人。そんなの分かってるから、嘘だってわかる。
目尻が熱い。・・・涙が出そうなのね。
掻き消さないと。心ごと。感情を。真実を隠し貫く為に。
心の中で、自分で自分を苦しめてでも。