やはり、席戻ると神谷が興味津々な顔で待っていた。

「部長の話、何だったんですか?」

「歳いくつ?だってさ」
 僕はため息まじりに答えた。


「わざわざ呼び出して歳聞くだけなんて、子供の使いじゃあるまいし…… 他にも何かあったでしょ」
 神谷は僕の目をじろっと睨んだ。


「家族を持てだとさ……」

「ああ、見合いの話ですか?」

「相変わらず感がいいよな」
 僕は感心した。


「普通わかりますよ…… それより、お相手はどんな方ですか? 写真とか年齢とか?」

「知らん…… 日にちしか聞いてない……」

「気にならないんですか?」
 神谷は目を丸くした。


「全然。それより、どうやって断ったらいい?」

 僕は神谷に救いを求めるように聞いた。