待っている時間というのは長いようだが、仕事に追われる日々は慌ただしく過ぎて行く。


 彼女が日本を立ち、一年が過ぎていた。


 昼休み、僕の携帯電話がメールの着信を報せた。


『お久ぶりです。雨宮です。覚えていますか? お変わり無いですか? 七月三日、ケアンズ便で帰国します。成田着二十時の予定です』
 彼女からのメールだ。


「やった―。」

 僕は声を上げて立ち上がった。


「どうしたんですか?」

 周りに居た人達が驚いていた。


「奇跡だよ! 奇跡が起きたんだ!」

 僕は興奮のあまり隣に居た奴の手を握った。


『必ず迎えに来ます。到着ロビーで待っています。追伸、僕は元気です』

 僕は彼女にすぐ返信した。


 彼女が帰ってくる。


 しかも、僕の所に…… 信じられない、彼女からの連絡に僕は舞い上がっていたのだ。