「それじゃあ、お元気で!ありがとう!」

 彼女の大きな声に、僕は我に返り、彼女に大きく手を振った。


 彼女の行動を、思わせぶりでずるいと言うのだろうか? 

 それでも僕は彼女を待っている事で強くなれる。



 もしかしたら、彼女が異国の地で疲れた時、日本に帰る場所があり、待っている者が居る事が支えにならないだろうか? 


 ほんの少し僕は自惚れたかった。

 彼女が手を差し伸べたら、僕は必ず迎えに来る!

 迎えに来たい! 



 僕は熱い思いを胸に空港を後にした……